【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第28章 あいたい人
あくまで私の話だが、今回の場合拷問に耐えることはそう難しくはない。何故なら、喋らなければいいだけだから。否定やら言い訳やらは隣の部屋で団長がやってくれる。私はただ黙って、敵に情報を漏らさないという任務に徹するだけ。
問題は私の身体が耐えきれるか、だ。
「おい、とっとと認めちまえよ。お前らがリーブスを殺したんだろ?」
「………………」
こう黙っていて何もされないほど、中央憲兵も甘くない。すでに片手の爪は全てない。
「こいつ……喋れねぇんじゃねぇか?……そういえば調査兵団の連中こいつのこと妙な呼び方をしてたしな」
「?なんだよ、」
「ビスクドール、ってな」
「確かに、整ったツラだしな。それにこうも無反応だと本当に人間かどうか疑いたくなる」
無反応?そんなわけないだろう。本音を言えば辛いし苦しいし痛い。何より痛い。心が痛い。なんならここに残るよう指示したエルヴィン団長を今すぐ全力でぶん殴っていつぞやの兵長のように奥歯をふっ飛ばしてやりたい。
しかし、
「エルヴィンも何も吐かねぇようだし、なんなんだよお前ら……」
"団長"が諦めていないのに、私が諦めるわけにはいかないだろう。