【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第28章 あいたい人
立場が変われば正義は牙をむく。誰が言ったか、本当にその通りだと思う。
「っ………!!」
この人たちにとっては、これが正義なのだろう。考え方の違いというやつだ、別に私はこの人たちを恨みはしない。
「とっとと吐いちまった方が楽になれるぞ」
時間の感覚も平衡感覚も薄い。ふらりと頭を動かすと、腹に重い一撃、
「うっ……………」
その衝撃で、強制的に意識が引き戻される。
「しかし、もったいねぇな……可愛い顔してんだから、兵士なんかより他の道もあっただろうに」
「そうすればこんな最期迎えずにすんだのにな」
「それにしてもこいつ、ほんとに18か?今年入ってきた新兵の奴らより幼く見えるが……」
「情報通りだと、18のはずだ」
耐えられると啖呵を切ったものの、さすがにこんなプロに拷問を受けるのは初めてで、予想以上にきつかった。
情報を渡さないことには自信はあるが、……これは本当に死ぬかもな。
「俺らだって君みたいな女の子痛めつけるのは良心が痛む……、さっさと認めてくれれば早いんだが……」
やってもいない罪を認めろという方が無理な話だ。
「……っ………」
貧血ではっきりしない意識の中頬を伝う生暖かい血を、私は血まみれの袖で拭った。