【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第27章 ▼鎖▼
「……は、事後の女が考えることじゃねぇな。まあ、てメェらしいが」
がしりと強引に頭を撫で回される。
「死にませんよ。……エルヴィン団長の部屋で一撃、さっきの一撃、いつか五倍くらいにして返すまでは」
「そりゃ都合がいいな。てメェはババァになるまで……いや、なっても死ねない」
「どういう意味ですか」
兵長の胸を小突いてみるもダメージがいっている気がしない。なんだこの人類最強。
「だいたい、エルヴィン団長の部屋での一撃は理不尽ですよ。兵長の一撃、結構痛いんですよ」
「てめぇ、くだらねぇことをいつまでも覚えてやがって……」
「あ、あれですか、もしかして"しっと"ってやつ………いだだだだ、兵長、髪の毛引っ張らないでください禿げます、ドメスティックバイオレンスです」
「ほう、そんな言葉よく知ってたな」
「馬鹿にしないでください」
嫉妬、か……。ふざけ半分自分で言った言葉だが、随分と懐かしく感じる。……いつぞや私が、ペトラさんに抱いた感情だったか。
「もう寝ろ、疲れてんだろ」
「あれ、兵長図星ですか、嫉妬ですk……うっ……!!」
枕に顔面を埋められて仕舞えば口も開けない。そして苦しい。
「うるせぇとっとと寝ろ、これ以上口を開けば犯す」
「んんんーーーーんーー(苦しいです兵長)」
この先どうなるか、そんなことはわからない。つかの間の平和。明日からはまた戦場。
それでも、
「……死なせねぇからな、」
「んんんーんんん(たった今殺されかけてます)」
今はこの温もりを、離さないでいたい。