【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第4章 屍の瞳
「そもそも兵団にいる時点で人並みの幸せなんてものは送れません。そんなこと班長もわかってるはずです。それでも私にそう言った。……何か意味があるはずなのに、私にはそれがわからない」
シアルとアリスはそういう関係ではない、ハンジはそう言っていた。もちろん確証なんてないが、こいつがシアルを見る目は少なくともそういうものではなかったのを俺は知っている。最上級の敬意、感謝、それだったのだろう。
しかしシアルはどうだろう、本当にそういう対象として見ていなかったのだろうか?
今となっては確認しようのないことに頭を悩ませる。
「……シアルのそれは、もしかすると兵士としての命令じゃあなかったのかもしれねぇな」
「……?どういう意味です?」
「さあな、俺もそう言った話は専門外だが、男が女の幸せを願う理由なんてこの世に1つしかねぇんじゃねぇのか」
つまりはそういうこと。
シアルはアリスに気があった。だが兵士としての互いのことを考え、最期まで気持ちを伝えることはなかった。
そう考えれば辻褄は合うだろう。
「……つまり班長は私を抱きたかったと?」
「待て、お前は何を言っている」
こいつからそんなワードが出るとは思わず俺は再び書類を落とした。