【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第26章 悪魔の裏側
「別に兵士のみんながみんな、人類を思う英雄である必要はないはずですよ。たとえそれが多くの屍の上に立つ団長でも同じです。……貴方はせいぜい悪魔らしくいてください。でないと私が素直に貴方を憎めません」
ああ喋りすぎた。つい恨み言を……
「……は、はは。ははは……そうか………そうだな」
あれ、笑われた。怒られるかと思ったのに。
「リヴァイが君に夢中な理由が少し、わかった気がするよ」
がしり、と一段強く撫でられたかと思うと、パッと手が離れる。
「……、さて、このくらいにしておかないと"私"がリヴァイに削がれてしまう」
あ、一人称戻った。
「急に呼び出して悪かったな。一度君と、ゆっくり話したかったんだ。戻ってしっかり療養してくれ」
「いえ、かまいません。私も話したいと思っていましたから。……あ、そのことなんですが今回の診察結果のこと、リヴァイ兵長には黙っておいてもらえませんか」
そんなことを言えば、きっと兵長はもう私を戦わせてはくれないだろうから。あなたはとても、優しい方だから。
「……留意しよう」
「……あ、あともう1つ、お話ししておきたいことがあるんですが………」
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「………そうか、これでまた、私の博打の勝率が1つ、上がったな」
「相変わらず恐ろしい方ですね、こんな大博打。敵に回したくないです」
「心配しなくても君が兵団を裏切って攻めてこない限り、それはない。それに私だって、君を敵に回すのは御免だ。君を相手取るのは何処か、自分を相手取っているような気になる」