【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第26章 悪魔の裏側
「……君はとても、強くなったな」
団長はフッと笑ったかと思うと、スクリと立ち上がり、私の目の前のソファーに座った。
「……そうでしょうか、リヴァイ兵長にはまだまだだと言われます」
「あいつと比べては誰も褒められないだろう、」
「まあ、そうですね」
小さく笑ってみせると、団長が手招きをしている。
「……?なんです?」
私は補助器具を駆使して、団長の隣に座る。
「……なあ、アリス。頭を撫でても、いいだろうか」
「は!?」
いきなりのことに驚き、思わず変な声が出た。いや、だって、本当に、団長からそんな言葉が出るなんて思いもしなかった。
「……すまない、そんなに驚かせるつもりはなかったんだ。……ただ、な」
「………?」
らしくもないエルヴィン団長を、じっと見上げる。
「……怒らないで聞いてもらいたいんだが、私は君を一兵士としてだけではなく、どこか娘のように見ている節があってな………ああ違う、決して変な意味ではないからそんな噛みつきそうな顔をしないでくれ」
無意識のうちに私は団長を睨んでいたらしい。