【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第26章 悪魔の裏側
「……あの時から、答えを変えるつもりはないんです」
「……ほう、」
『……私は人類を救うとか、そんな大義に興味はありません。調査兵団に入った理由だって、他の兵士たちほど立派なものじゃないです』
人類のためとか、自由のためだとか、そんなのじゃない。人類の敵か否かなんて、そんなものは知らない。
「私は、私の仲間のために戦います」
今度こそ、絶対に見失わぬように、大切な人の笑顔を守りたいから。ずっと側で。
「その仲間が人類の勝利を望むなら、仲間が自由を望むなら、私もそのために全力で戦います。そしてその仲間が、志半ばにして死んでしまったなら、その仲間の本懐を遂げ、その死に意味を持たせるために、戦います」
もう迷わない。私は、そのために生きる。
兵長には黙っているが、臓器も大多数が深い傷にやられており、腕も、足も、治りきらないまま新しい傷を重ねすぎたせいで、だいぶ治りが遅くなってきている。右目もすでに人形の瞳。
このまま戦い続ければもし近く巨人を全て駆逐できて自由になれたとしても、長く生きることは叶わないとも言われた。
それでも、ここで逃げればシアル班長に顔向けできない。
「……この命尽きるまで、……私は調査兵団に、心臓を捧げます」
「……見事な敬礼だ、アリス」