【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第26章 悪魔の裏側
「急に呼び出してすまないね」
「いえ……」
まだ1人で歩くことは厳しいが、壁を伝い補助器具ありでならだいぶ歩けるようになってきた頃、急にエルヴィン団長から呼び出しがかかる。2人きりで会うのは暗殺以降初めてかもしれない。
緊張からか補助器具を握る手に汗がしみる。
「立っているのは辛いだろう、そこにかけてもらって構わないよ」
「……お言葉に甘えさせていただきます」
普段ならご遠慮するところだが、あいにく今回の怪我は我慢とかそういう次元のものじゃなかった。長時間突っ立っていれば骨がミシミシと軋み限界が来るのを全身で感じる。ここはお言葉に甘えておこう。
「こうして君と2人で会うのは、君に殺されかけて以来だな」
「う………その節は、その……すみませんでした……」
別にこいつに対する殺意が全て消えたわけじゃない。だが、今ならわかる。"人類"のためには、この悪魔が必要なのだ。結局全て、リヴァイ兵長の言うとおりだった。
「……もう一度、問うておこうと思ってな。アリス、」
「……はい」
びりっと、全身電気がかけるような緊張感に襲われながらも、私は団長の言葉を待つ。
「君は人類の敵か、否か。……君は、なんのために戦うのか」