【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第25章 此岸
「まあ1割は冗談だが、……早く治せよ」
9割は本当なんだ、ということは黙っておく。
「……あの、リヴァイ兵長」
部屋を出て行こうとする兵長の服の裾を引く。
「約束、1つ増やしても……いいですか」
「……?言ってみろ」
私は小さく口を開く。
「……うみ、一緒に………見に行きませんか」
遥か昔の記憶。それを見たことはない。でも、
「……昔、……言われた気がするんです。私の瞳は、"うみ"のようだって……"お母さん"は、"うみ"のような目をしていたって……」
「……生い立ち、興味ねぇんじゃなかったのか」
興味ない、今思えばそれは言い訳だったのかもしれない。……怖かったんだ、自分と向き合うことが。
「……エルヴィン団長が私の生い立ちを追っていることは、知ってます。何となく理由も、わかってるんです」
全てが確実じゃない。もともと興味がなかったことも事実。
でも、こんな情報でも貴方の役に立てるのなら。