【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第25章 此岸
「随分と妙な姿になりやがって」
「あは、可愛いでしょう」
「ああそうだな」
「私の相手そんなに面倒です?」
返事は適当だが、その後も兵長は毎日足を運んでくれた。次はエレンの硬質化実験やら、クーデターをやるかもしれないだの何だの、忙しいらしいが。
あいにく私は地位や権力やら、そういった争いにはみじんも興味がない。難しい書類もいろいろもらったが理解できる気もしないし。
ただ戦えと言われれば戦う、殺せと言われれば殺す。……たとえ相手が、巨人でなくとも。兵長を守るためなら、何だってやる。
「……もう、痛まなねぇのか」
さらりと撫でられる頬。なんだかんだ心配してくれているようだ。
「……はい。マリア奪還までには動けるようになるそうです。……兵長も足、まだ治ってないんですよね」
「ああ、だが普通に歩ける」
「おかしいですね私も骨折ってますが、全然歩けないんですけど」
「鍛え方が違ぇんだよ」
「いえ私普通の人間なので、鍛えても無理です」