【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第25章 此岸
「アリス〜できたよ義眼〜」
「ハンジさん、……ありがとうございます。あ、お怪我の方は……」
「私はもう大丈夫だよ、アリスより全然軽症だから」
怪我は今までの作戦の中でも1番酷い……と、先生に言われた。ほとんど身動きも取れないし、1人じゃまともに歩けない。片目も失った。
……でもまだ、戦える。もう泣かない、みんなの翼を背負ってるから。
「それにしても良かったの?"同じ色"にしなくて」
「はい……これで、いいんです」
義眼の色はあえてもう片方の色と揃えなかった。思い出したから、"母の色を"。
「その容姿で、オッドアイか〜、まさにビスクドール……だね」
青のような、紫色のような、そんな瞳。確か母の瞳は、そんな色をしていた。
「はは……このまま手足まで人形にならないように気をつけます……」
「ほんとだよ。相変わらず強いのに怪我だけは絶えないんだから」
義眼をはめ込んで鏡を見てみれば、コントラストの瞳を持つ傷だらけの少女が映る。
「……母さんの顔、思い出せるかな」
過去に興味はない、別に引きずってもいない。……が、
『呪いと、祝福の児……』
おかしなことを、思い出したせいだ。