【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第24章 片翼
「ああっと……危ない、……いや、悪い意味じゃないんですよ?」
みんなのリーダー格で、いつも優しく笑ってる、そんな最年長のシャルからそんなセリフが出るとは思わなかった。……そんなに向いてないのかな。
確かに地下にいた頃から、私はずっとひとりぼっちだった。仲間なんていなかった。だからこういう、仲間がいるからこそ起こる内部分裂みたいな出来事には対応できない。
「素直な方、という意味です。いいことですよ。こんな廃れた時代だからこそ、貴方のような方が今後増えれば、素敵な時代になるんでしょうね」
「………素直、か」
でも今の時代では、そんな性格では生き残れない。
「……でも、"いい子"じゃ生き残れない」
だから私は昔、"いい子"を"捨てた"。
「はぁあ………何を1人で抱え込んでるのか知らないですけどー」
ぐっと手を引かれ、階段を駆け上がる。
「貴方は1人で、兵士やってるわけじゃないんです。いいですか、こういうチームには役割分担ってものが存在します。貴方は"いい子"でいてください。貴方はそのままでいいんです。嫌いな自分になろうとしなくていいんです。そういう汚れ役は、」
屋上にたどり着き、扉を開くと立っていたのは"チームメイト"たち、
「俺たちに任せてくれればいいんですよ」
溢れそうになる涙をぐっとこらえ、私は一歩踏み出した。