【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第23章 祈り
「それは違うさ、幸せになる資格がない奴なんていないよ。それにリヴァイや私はアリスの幸せを祈ってるし、……もちろんシアルもね。人に幸せを祈られる……それって十分すぎる資格だと思うけどね」
班長が私に祈った、"しあわせ"……兵長やハンジさんが祈ってくださる、"しあわせ"……
「……"しあわせ"とは、……人に祈るものなのですか?」
「んーそうだねぇ………本来は自分で叶える……勝ち取るものなんだろうけど……」
一呼吸置き、ハンジさんはクスリと笑う。
「大切な人や大好きな人には、そうなってほしいものだよ」
「………!!」
大切な人、大好きな人……
「……私、兵長にも、……"しあわせ"……、なってほしいです」
「アリス……」
ティースプーンをくるりとかき混ぜる。
「もちろんハンジさんにも、シアル班長にも……、ペトラさんやグンタさんや、エルドさんやオルオさんにも……みんな、みんなに………」
私の大好きな人が、大切な人が、……大切にしてくれた人が、"大好き"をくれた人が、みんなみんな、そうなってほしいから。
「あはは、やっぱりアリスは優しい子だよ」
「……ありがとう、ございます……」
言われた言葉をただ素直に受け取り、手を伸ばしてくれたハンジさんの手を掴み、
「……だからさ、……絶対生きて、帰ってくるんだよ」
そっとハンジさんの胸に飛び込んだ。