【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第23章 祈り
「それに規格外なのはアリスも一緒だしね」
「……私もですか?」
割れたカップをしまい、紅茶で溢れた床を拭きながら私は顔を上げる。
あーあ、せっかく淹れたのに。……て、半分ふざけて落としたのは私だが。
「巨人討伐数はリヴァイと比べてもなんら劣らないし、性格のひねくれかたや素直じゃないとことか、君たち本当似てるよね〜」
ハンジさんの紅茶を入れるべく、お湯を沸かし直す。
「兵長と似てるのはちょっと嫌ですが……まあ、私性格悪いですからね」
兵長のことは好きだし憧れてもいるが性格も兵長みたいになりたいかと言われれば否だ。あんな潔癖で神経質、さぞ世の中が生きづらいことだろう。
「そんなことないよ〜と言いたいところだけど、口の悪さはリヴァイといい勝負だね」
お湯が沸く。茶葉は……兵長とっておきのやつ使ってやろ。
「でも人一倍優しいところも、リヴァイにそっくりだ」
ピクリと、指が震えた。自分でも驚くほどに動揺する。
「……似てないですよ。兵長は優しい方ですが、私は違います」
以前私のことを優しいと言ってくれた物好きがいたが、あんなものはきっと状況と状況の重ね合わせ。エレンの周りには、私なんかより優しい人がたくさんいるはずだ。