【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第21章 生の呪い
「……確証はねぇが、多分そいつは俺の親代わりのような奴だ。死にかけの俺を拾って、"生き方"を教えてくれた」
ナイフの振り方から地下での身の振り方、近所付き合いに言葉遣い、思えば俺の思想は全て、奴の影響が大きいのだろう。
「へぇ……世界って狭いんですね。それから調査兵団へ?」
「……俺の話なんか面白くもなんともねぇぞ」
忠告を挟むもアリスはニコリと微笑んでくる。
「別に面白さ求めてるわけじゃないので構いませんよ。……私は知りたいだけです、兵長のこと」
人に興味なんて持たなかった奴が、随分と成長したものだと感心すると同時に、その興味が自分に向けられることに少なからず喜びを覚える自分がいた。
「……エルヴィンに拾われる形で地下から出た。……一緒に出てきた奴はもう死んじまったが……その点じゃ、お前と似たようなものだな」
境遇や心意気は違えど、どちらも地下から這い出てきたのは戦うため、大切な人を守るため。そして皮肉にも、俺たちは"失った"。
「そう、なんですか……」