【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第21章 生の呪い
「……別に、あんまり興味ないです。兵長もご存知でしょうけど地下じゃ生い立ちがはっきりしない子供なんて別に珍しくもありません。現に兵長だって姓、わからないじゃないですか」
「……ああ、まあそうだな」
自分のことなどすっかり忘れていたが、そういえば自分もアリスと同じ娼婦の子。父親が不明という点も同じだった。
「まあ自分に興味はないですが……もし叶うなら、一つだけ知りたいことがあります」
「なんだ、」
問いかける俺に、彼女は笑って答えた。
「……誕生日……です」
「………!!」
切なげに笑う彼女の瞳は、今日も憂を帯びている。
「生きることはずっと呪いで、生まれた日を祝うなんて、考えられなかったんです。……兵長と出会ったせいですよ。自分が幸せから目を背けていることに気がついてしまったんです」
出会った頃からは想像もつかないほど、笑うようになった彼女。
「ほんとに、兵長と出会ったせいで……私は今ここで、笑っていられるんですから」
「……はっ、おかげで、だろ」
俺は小さく笑った。