【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第21章 生の呪い
「104期の隔離にスパイの捜索、そんでアリス、か……休ませてもらえねぇな」
「ああ、問題は山積みだ」
誰もいなくなった部屋に2人、俺はドア越しにもたれかかる。
「……奴は、初めて会ったときシアルは自分の名前を知らなかったと言っていた」
「シアルが彼女と離れたのは彼女が生まれて間もない頃だからな、仕方ないのだろう」
机の上に出された封をされた大量の書類。
「ヴィクトリカの家はアインズの親戚にあたる家でな、情報を得るには最適だった。……彼女の生い立ちを追うにも、最適だった」
「……地下じゃ、生い立ちがはっきりしねぇガキなんざ珍しくもねぇ。なのに、何故お前は奴のためにここまでする」
あいつが調査兵団にとって利となる存在であることは理解している。だが、未来しか見ないエルヴィンが過去を追うのはまた珍しい。
「……さあな、時が来たら、また言うさ」
はぐらかされ、俺はため息をつく。
「まあいい。お前のことだ、何か考えがあってのことだろう。とにかく俺は動けねぇ間はあいつのことをを調べりゃあいいんだな」
「ああ、頼む」
分厚い封筒を抱え、俺は会議室を出た。