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【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】

第20章 夜会


「お前は黒が似合うな。肌が白いからか、よく映えている」

「急に、どうなさいました?」

ゆったりとした曲調に変わり、それにつられて私たちの動きもゆっくりと変わっていく。

「……別に、ちゃんと言ってなかったからな。すげぇ綺麗だ、アリス」

かぁっと一気に顔に熱が集まる。

「……兵、長こそ……今日はその、すごく、かっこいい、です………」

だんだん恥ずかしくなってきて、動きを止め兵長の腕の中から抜け出そうとするとグッと腰に回った腕に力が込められる。

「逃げんじゃねぇ」

ゆっくりと近づいてくる兵長の顔から、逃れられない。

「……こういった夜会なんかの類は嫌いだが、お前の着飾った姿が拝めるなら、悪くねぇかもな」

ずるいですよ兵長。そう言って小さく口角を上げる兵長から、もう目が離せないんですから。

「……その一言で、大概の女の子落ちますよ……」

「はっ、死にたがりがそう言うなら間違いねぇな」

満天の星空のテラスの元で、互いの唇が重なった。



これもきっと、"しあわせ"の一翼と呼ぶにふさわしいのだろう。だってこんなにも胸が、満たされているのだから。



……なんて、ほんのひと時忘れていた。不幸に愛された自らの、
生を、
諚を、


運命を。
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