【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第20章 夜会
「……そういえば、兵長は幼い頃はどうやっt……」
「よし、踊るか」
「え!?」
急に言葉を遮られたかと思えば片手と腰をグッと寄せられ、予想外のセリフに困惑する。
「ど、どうしたんですかいきなり……、兵長もしかして酔ってます?」
「あんな程度の酒で酔えるか。……ただそういう気分なだけだ」
あんな程度って……あそこに置かれているお酒、まあまあ高濃度だったが……。
「……ワルツか、」
ホールの方に耳を傾けると、かすかに聞こえてくる少しアップテンポな美しい音色。
「……私たちにワルツは似合いません。せいぜい、レクイエムでしょう」
「鎮魂歌には、まだ早ぇだろうが」
「わっ……」
リズムに合わせ、ゆっくりとステップを踏んでいく兵長に、必死についていく私。
「兵長、ダンスできるんですか」
「できねぇ」
「え、」
「普段立体起動なんてもんで空飛んでんだぞ、俺らは。猿真似でもダンスくらいできるだろ」
そうだった、立体起動ができてダンスができないわけがない。そう言われたらなんだか悔しくなり、スライドガラス越しに見える貴族たちのダンスを盗み見、真似る。
「……ほう、やるじゃねぇか」
曲調がまた、少し変わる。