【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第20章 夜会
結局、ハンジさんの処理はミケ分隊長の気遣いにより分隊長とモブリットさんで当たってくれるそうだった。団長はもう少し挨拶回りがあるとかで、放たれたのは結局私と兵長だけになってしまった。
「ハンジさん、大丈夫ですかね」
兵長が人が多いところを嫌ってか、はたまた人混みが嫌いな私を気遣ってか、中央広場から離れたテラスの方に出てくる。人でごった返した会場内は息がつまる。やはり外は気持ちがいい。
「さぁな、いくら騒ごうかあいつの勝手だが調査兵団の名前だけは出さないでもらいてぇもんだ」
こんな時でも兵長は兵長らしくて、安心する。
「……兵長、今日は前髪上げてるんですね」
「ああ、まあな」
同じ地下育ちのゴロツキだというのに、どうしてこの人はこういう姿が似合うのか。
「……前から不思議だったんですけど、兵長地下育ちなのになんだか無駄に品がありますよね」
「褒めるのか貶すのかはっきり決めてから喋れ」
「なんだか同じ地下育ちなのにこの差がどうも納得いかなくて……」
いつもと違う兵長に少しドキっとしたことが悔しくて、私は兵長から目を離す。
「それはてメェも同じだろ。無駄に綺麗な敬語喋りやがって」
「それはあれですよ。もともと私兵長と同じかそれ以上に口悪いですからね。拾ってくださったシアル班長のお祖母様が私に礼儀やら作法やらを一から教えてくださったんです。ある意味この敬語は本来の口の悪さを隠すための鎧ですから」