• テキストサイズ

【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】

第20章 夜会


相手は兵士でもなんでもない、肥え太った貴族の豚。殴って落とすくらい簡単にできる相手だ。以前の私なら何も考えずそうしただろう。
だが今は、

「………」

なにも言わずに私を見つめるエルヴィン団長と目があう。……手を出すな、そう言いたいのだろう。
今ここで騒ぎを起こせば、調査兵団の信用は今まで以上に堕ちる。

「地下のゴロツキ風情が……調子に乗ってこんなところに来るんじゃ……」

「調子に乗ってるのはてめぇだ豚野郎」

後方から聞こえた愛しい声。
……本当にこの人は、助けて欲しい時にきちんと助けてくれる。

足が退けられゆっくりと頭を上げると、見慣れないスーツ姿に前髪を上げた兵長。

「ぶ、っ………な、なんだ貴様は!」

「さあな。ただのこいつのツレだ」

私の腕を引く兵長に、頭をさげその場を離れるエルヴィン団長とミケ分隊長。

「てめぇは本当に、不幸に愛されてやがるな」

人混みを抜けて行き会場の端にたどり着き、角の椅子に座らされる。

「兵長に愛されているおかげで不幸は相殺されるので、大丈夫です」

差し出された水を受け取ると、安心からか表情が少し緩む。
/ 375ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp