【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第20章 夜会
「これは、弁償してもらわねぇとな、スーツに汚れがついた」
そう呟いた男の背後に立っていたのはエルヴィン団長。
「……これは、アインズ卿の御子息様、……申し訳ありません、うちの団員の不注意で」
アインズ……、確か最後に挨拶回りをするはずだったはずの……
「騒がしいな、ディアマ。……おや、君は……」
「……!!アインズ卿、ご挨拶が遅れ申し訳ありません。調査兵団団長の、エルヴィン・スミスです」
「ああそうそう、調査兵団の」
隣のテーブルからこちらへやってくるのは一見人の良さそうな白髪の老人。
……だが、
「それで、そちらが例の……」
「ええ、ご紹介が遅れました。こちらが調査兵団で戦績討伐数共にリヴァイ兵士長に次ぎ首位の、アリスです」
はっと頭を上げ、姿勢を整えお辞儀をする。
「アリスと申しま………」
____ビシャッ……
言い終わらない間に、ポタポタと前髪から雫が伝った。
「………え、」
一瞬何が起きたのか理解できなかった。
「……そうか、君が例の"地下のゴロツキ"か」
髪を伝い床に落ちていく紫色の液体。……ああ、ワインをかけられたのか。