【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第20章 夜会
「おおこの少女が噂の。いやはやビスクドールとはよくいったものですなぁ。しかしリヴァイ兵士長の時も驚いたが、こんな小柄な少女が調査兵団きっての実力者とは、」
「……お褒めに預かり、光栄です……」
慣れない仕草に息が詰まりそうになる、が……これも仕事だ。私は感情を殺し表情を貼り付ける。
「こんな小さな少女までもが人類のため、こんなにも傷だらけになって死線で戦っているのだ。我々もできる限りの支援はさせてもらうよ。頑張りたまえ、」
腕と首の包帯はドレスの構造上どうしても出てしまうが、あえてそのままにしてある。団長が同情を誘うためだとかなんとか黒い理由を言っていたがそれ以上聞きたくなかったので聞かないようにした。
あの悪魔の腹の底なんて知りたくもない。
「ありがとうございます」
一通りの挨拶を終え戻ってくる団長。
「……ああいう感じでいいですか」
「ああ助かる。……が、次はもう少し笑顔を意識して見てくれないか」
「結構笑ってるつもりだったのですが……」
内心が出ていたのか、全く笑えていなかったらしい。
「君の笑顔は、リヴァイも褒めていた」
「え……」
兵長が褒める?私を?
……明日は槍でも降るか。
「人類最強が君を認めているんだ。もう少し自信を持つといい。胸を張って歩け」
「……了解、です」
全くこの人は……どうしてこうも素直に憎ませてくれないのか。