【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第3章 優しさと苦痛
その日の夜、いつも通り風呂に向かい兵服を脱いだ。いつもより遅い時間、誰もいないことを確認しゆっくりとブラウスを脱ぎ、包帯を外した
「…………」
現れるのは、生々しい傷跡。
訓練や巨人にやられたこと以外で怪我をするのは兵士の恥、そう言ってよく怒られたっけ。
『アリス!お前はもっと自分を大切にしろ!!』
自傷癖は、治らなかった。シアルさんに拾われてから言葉遣いや身なりには気をつけるようになった(根本的な口の悪さは治らなかった)が、自傷だけはやめられなかった。
わかってる、自分が異常だって。
だからこのことはハンジさんにも話していないし、誰にも話すつもりはなかったのに、兵長は気づいていた。
「………どうしてだろう、」
軽めに入浴を済ませ、素早く部屋着に着替える。ヘマをした覚えはない。入浴時でさえ、これだけ気をつけているのだ。バレるはずがなかったのに。
「………あ、」
風呂を出て廊下に出ると、
「……お前か」
そこには兵服姿のリヴァイ兵長が立っていた。