【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第17章 待ち人
扉の開く音が聞こえた。誰かは言わずもがなわかる。
「……アリス、」
愛しい愛しい、貴方。
「……血まみれですね」
「汚ねぇ姿ですまないな」
死んではいないだろうか。同情こそ少しも覚えないが、少し心配になる。……兵長を殺人犯にするわけにはいかないから。
「……すみません、こんな手段しかとれなくて。……こんな手段でしか、兵団の足を引っ張らない方法が思いつかなく………!?」
「もういい………喋るな」
全身に感じる兵長の体温に、自然と涙が溢れそうになる。
もろくなったな……私。
「……完治させとくって、大口叩いてやがったのはどこのどいつだったかな」
顔は見えない、でも、耳元で感じる吐息が暖かい。
「さぁ……知りませんねぇ、そんなどこぞの死にたがり女は」
兵長の背中に手を回せばさらに距離は縮まる。……ずっと欲しかった、この温もりが。
「っ……ぅっ………」