【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第16章 ▼ひとりぼっち▼
「……どうして、団長がここに……」
今はリヴァイ兵長たちと共に女型捕獲に向かっているはずだ。昨日の昼、兵長と同じ馬車に乗っていたはず。
「ああ、少し忘れ物をしてな」
私をソファーへと寝かせ、自らの机の方へと向かう団長。
「……何があったのか、聞かないんですか」
「ミケほどではないが、私も多少は鼻が効く。察しくらいはつくさ」
そのまま何も言わずに、机の中からガサゴソと忘れ物とやらを探す後ろ姿をじっと見つめる。
「……で、君のことだ。やった本人たちをすぐに退団させる、そういった処遇を望んでいるのではないんだろう?」
その通りだ。全く考えていることが伝わりすぎて怖い。
「兵団内の誰にも、今回のことは話さないでください。もちろんリヴァイ兵長にも。……こんなことで女型確保作戦の足を引っ張りたくありません」
「一応副案として、今作戦に出ているメンバーと看病役の彼らを入れ替えることもできるが、それも嫌か?人数的にこちらには支障がないが」
「……兵長に何か吹き込まれて、混乱させるのも嫌なので。私の口から、報告したいんです」
戸棚の方から救急箱を取り出し、解けた部分を手当てしてくれる団長。
「ルシアン・マルティネス。……シアルの1つ上の第94期生……、で、間違いないか?」
「……ご存知だったんです……かっ……!?いだっ!!」
「すまない、少し我慢してくれ」