【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第16章 ▼ひとりぼっち▼
と、送り出したのが9時間ほど前のこと。いざ送り出してしまえば退屈なものだ。
兵長もいない、ハンジさんもいない、エレンもいないし、……リヴァイ班のみなさんも……
「……………」
思えばここまでひとりぼっちになるのは本当に久しぶりだ。
なんだかんだ、いつもは周りに人がいてくれた。ありがたい話だ。
「……先生、」
「どうかしたかい?」
医務室の先生はいい人だった。おそらく調査兵団内では最年長のお爺さん。昔から怪我が絶えない私は随分お世話になっている。
「食堂、行ってきていいですか?」
「駄目だ。見送りは特別に許可したが、本来君はまだ動ける状態ではない。食事なら私がとってくるから、」
「……ずっとここにいるのも退屈なので。お願いです、リハビリというか……ちょっと歩かせてください」
本来私はアウトドアな性格である。こうベッドの上でじっとしているのは性に合わない。頭に包帯、右目に包帯、左足にギブス、両腕にも包帯とかなり奇怪な姿ではあるが、今兵団内は怪我人だらけだ。食堂に行ってもそう悪目立ちもしないだろう。それに時間ももう随分遅い。
「……はぁ、じゃあ許可するけど、食事とったらすぐに戻ってくるんだよ」
「はい、ありがとうございます」
私はフラフラと医務室を出た。