【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第16章 ▼ひとりぼっち▼
「……いってらっしゃい、です」
「……ああ、」
とある昼過ぎ、私は兵長を門のところまで送りに来ていた。
女型の巨人の確保のため、今日からしばらく兵舎を開けるらしい。ハンジさんも含め多くの兵士がこの作戦に駆り出されるため、留守番は私含め重症の兵士と、看病に残る数名の兵士のみ。
寂しくなりそうだ。
「リヴァイ、そろそろ出るぞ」
馬車の中から顔をのぞかせるエルヴィン団長。
正直、共に戦えないことが死ぬほど悔しい。兵長も怪我をされているそうだが憲兵を引きずり降ろす作戦の一部に組み込まれているらしい。
でも、私は……
俯き唇を噛み締めていると髪をくしゃっとかき混ぜられる。
「そんな顔すんな、お前の身を案じての判断だ。調査兵団としてはお前という強力な戦力をここで失うわけにはいかねぇからな」
「……わかってますよ。戻ってこられるまでには完治させておきますので、せいぜいハイテンションで帰ってきてください」
くすりと笑い悪態を吐く私に、小さく笑ってくれる兵長。
「……ああ、ハイテンションで帰ってきてやるから………覚悟は済ませておけよ」
例の約束のことだろう。私はこくりと頷く。
「……どうか、ご無事で」