【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第15章 ▼痛み▼
「ぺト、ラさ………」
「目をそらすな」
拘束された私の両腕を優しく包み込む兵長。
「私、ペトラさんが昔兵長のこと好きだったって、知ったんです……」
「……ああ、知っていた」
最近の私は涙腺が脆い。以前は全く泣かなかったのに、いつからこんなに弱くなったのか。
「でも、今付き合ってるのは私で、それが何となく、ずっと後ろめたくて……」
「ああ、」
「でも、ペトラさん、私の笑顔が好きだって言ってくれたんです」
今まで自分の本当の顔を隠すための道具だった笑顔を、本来の使い方通り使うことができたのはリヴァイ班のみんなのおかげだった。私の笑顔を、喜んでくれる人たち。
「だから、今回の壁外調査から帰ったら、お互いのこと全部話すって約束してたんです。私と兵長のことも、私のことも、ペトラさんのことも、全部、全部………」
これからだった、これからだったのに。
「約束、守れな、……かっだ………!!」
「……ああ、」
相変わらずの無表情で聞いてくれる。私の涙を拭ってくれる。あなたの手の温かさに涙が止まらない。