【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第15章 ▼痛み▼
「怪我の調子はどう?リヴァイ」
食堂にて、何も食う気になれず水を飲んでいると向かいに座ってくるハンジ。
「ああ、まあぼちぼちだ」
俺は左足に手をやる。
「……アリスは、落ち着いたの?」
「ああ。一通り泣いて、今はぐっすりだ。……一応両腕は拘束してある」
「……賢明だろうね」
奴が寝てから、一通り治療し包帯を巻いた上でベッドに拘束した。念のため、取り除ける刃物は医務室外へ出した。
「……リヴァイは泣かないんだね」
「……泣かねぇよ」
奴らの死が報われるその日まで。俺は泣かないと誓った。
「アリスはきっと、これから何度もこういうことを経験する」
エルヴィン同様、こいつもわかっているのだろう。アリスの潜在能力を。
「……ああ、そうだな」
「強い人間ってのは、心まで強くあらなきゃいけないもんなんだね」
いくら自分が強くなろうと、仲間全員を常に守れるわけじゃない。心を強く持たなければ、強くならなければやってられないのだ。
「アリスはきっとこれからも強くなる。あの子はこれからも、仲間を踏み台に強くならなければならない。これからもリヴァイの隣で生きていくならね」