【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第15章 ▼痛み▼
さっきの悲鳴……まさか、
「はぁ………はぁ……はぁっ……アリス!!」
バタンと医務室の扉を開く。
「っ…………!!」
ひどい臭いに思わずたじろぐ。視界に飛び込んできた光景は、
「兵、長………」
ハサミを片手に、真っ赤に染まったベッドの上で半放心状態のアリスの姿だった。
「お前っ………!!何してやがる!!」
俺はすぐさまアリスからハサミを取り上げ離れたところへと投げる。アリスの両腕は切り傷どころか皮がえぐれ肉が見えるほどであったが出血量が多すぎてそれすらも覆い尽くされていた。
「……ペトラさん、たちは、もっと痛かったんです……」
「っ……ああ……」
「私の……この胸の痛みなんかよりっ!!もっともっと痛かったんですっ……!!」
ボロボロと大粒の涙をこぼしながら俺の肩を掴むアリスを、俺は思い切り抱きしめる。
「ああ……そうだな……」
目頭に熱を感じた。が、それも悟られぬように、押し殺すように、
俺はアリスをきつく抱きしめた。