【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第14章 喪失
「エレン、ごめん。先行って」
「えっ……アリス……さん!?」
考えるより先に体が動いていたんだと思う。
……訓練が無駄になったな。自分を抑制する戦い方を必死に身につけたはずなのに。
「……っは……はは!!」
女型に向かって思い切り跳ぶ。
「……とっとと死ねっ……!!惨めにっ無様にっ、不恰好に、醜くっ……死んでいけクソが!!」
腕を削ぐ。
足を削ぐ。
腹を削ぐ、
全身を搔っ捌く。
感情のまに、刃を振るった。
しかしいくら体を切り刻んでも弱る気配を感じない。一度木に飛び移り再び眼球を狙いに行こうとすると、
「っ……!!」
思い切り左手で掴まれる。
……っくっそ……逃げられない。
「あ゛っ……くぅっ………」
ミシミシと体の骨がイかれていくのを身を以て感じる。
「い゛ぃっ………!!」
死ねない、死ねないのに………!!
意識も薄れかけた頃、ふと圧がなくなる。そのまま引力にひかれるまま地面に落ちてゆく。
「っ………!?」
地面の衝撃を受け身を取る間もなくそのまま受けた。
……内臓、今のでやられたな……。損傷が激しい部位は内臓数カ所と、左足か……。
駄目だ、頭を打ったか……視界不良……、エレンを守らないと……女型を、奴を捕らえる……いや、殺さないと……
歪む視界の端に映ったのは、巨人化したエレンの姿だった。