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【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】

第14章 喪失


広い視界に壁はなかった。どこまでも広く青々とした草原に、果てのない空。

「巨人のいない世界で、脅威のない世界で、"壁のない世界"で、何もかもの柵から解放され、自由に暮らしたいと、欠片も思わなかったのか?」

「知ったような口聞かないでくださいよ!!」

そんな自由を夢見てしまったと、考えたくなかった。だって私の生きられる場所は戦場だけだから。
そこで名誉の死を遂げれば……

『絶対に死ぬな』

……いや、違う。死ねない、絶対に死ねない。
ああもう、わけがわからなくなってきた……

「……要は対象の違いだ。私は"人類のため"ならば、"仲間"をも切り捨てられる。彼らの屍は、"人類"を明日へと導いてくれるだろう。君の場合はそうだな……リヴァイや班の人間のためならば他を切り捨てられる。切り捨てるという行為は、誰にでもできることではない。……君は私と、よく似ていると思うがね」

そう言い放ち、女型の近くの木へと移って行く団長。……いろんな部分を見透かされた気分だ。リヴァイ兵長に生きる理由を作ってもらったとはいえ、心の整理が未だついていないのも事実。混乱する私に目的と道を1つに絞ってくれたのだろう。

大切な人のため……リヴァイ兵長のために、リヴァイ兵長が思う調査兵団のために心臓を捧げよと。
そしてその先にある自由をつかんで見せろと。

そうすれば……

「………………」

『幸せになれ』

シアル班長の言葉の意味も、理解することができるのだろうか。
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