【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第14章 喪失
「エルヴィン!!リヴァイたちが来るよ!!」
「よし……撃てぇえええ!!!」
事前にうるさいとは聞いてあったので耳をふさぐもそれでは足りないくらいの騒音が森の静寂に響き渡る。
……なるほど、女型の巨人とはよく言ったものだ。
捕らえて仕舞えばあとは兵長が来れば入れ替わりで私は班の元へと戻れる。
ああ兵長早くきてぇえ……
「……アリス、君は人類のことなど興味はないと言っていたな。それは今も変わらないか?」
「変わらないですよ。……私はいい子じゃないので、自分の身の回りの大切な人たちだけ助かればあとはなんだって切り捨てられます。……もちろん巨人にも興味はありませんよ。この女型のうなじから誰が出てこようが、知ったことではありません」
今言ったことは決して嘘ではない。少し前までの私ならこの意見で通せた。自由への野心なんてなかったのだから。ただ目の前の人を守ることだけで精一杯だったのだから。
「本当にそれだけか」
「……それだけですよ」
シアル班長が死んでから初めて壁外に出たとき、見えた景色はなんだったか。
「この世界がどれほど広いか、……それを思い知ったんじゃないのか」