【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第13章 嫉妬
私は兵長を取られるのが怖いのだろうか。窓を拭きながら必死に考える。
「アリスさん、次はあっちの部屋を掃除しろと兵長がー……」
そうだったとして、それは一体何故だろう?兵長は私が好きだと言ってくれた。そこに対して疑問を抱くことは私が兵長を信頼していないことに繋がってしまうのでは?そうじゃない、そうじゃないはずだ。兵長は優しい人だし、何より約束は守ってくれる人。
「あれ、アリスさん?」
あの日約束をした時は迷いなく信じられた。なら何故、今回の件に関しては疑いの念が生じてしまうのか。
「おーい……アリスさん……?」
都合のいいことのみは信用し悪いことは信用しない……いつから私はそんなクソのような人間になったのか……。
「アリスさーん!!」
「はっ……はい!?……って、なんだエレンか……びっくりした……」
「……随分考え込んでいたようですね、何度もお呼びしたのですが……」
「え、ああ……ごめん……」
「そこ1箇所だけ、すごい綺麗になってますね……」
どうやら本当に周りが見えなくなるほど思考の底へ沈んでいたようだった。