【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第2章 悪魔
「へ、兵長痛いっです……!!どこ、に………」
腕をぐいぐいと引っ張られる。私と兵長とでは歩幅に差もあるというのに気遣いは一切なしだ。急になんなんだ。
「……やりゃあできんじゃねぇか、お前」
急に口を開いたかと思えば、予想外のセリフに唖然とする。
「え……」
「戦績は優秀、口数は少ないが仲間思いで班内での人間関係は良好。可憐な容姿からついた異名はビスクドール……ってのが書類上でのお前だったが、どうやら修正が必要みてぇだな」
ビスクドール、確か班長がふざけてそんなあだ名をつけたことがあった。班長が……
「……私は、もともといい子なんかじゃないので。性格と口は兵長に負けないくらい悪いですよ」
「俺と張り合うとはいい度胸じゃねぇか。まあ、ただのいい子ちゃんが生き残れるほど、壁外は甘くねぇのも事実だ。実際兵団のトップがあの悪魔野郎だからな」
悪魔野郎……私は昨日の会話を思い出す。