【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第2章 悪魔
「シアルもいい部下を育てたものだな」
団長の口からその名前が出た時、私の理性はあっさりと切れた。
「お前が班長の名を口にするんじゃねぇ!!見殺しにしたくせに……、捨て駒にしたくせに!!!」
一度開いた口は止まらなくて、私は続けた。
「そうやって何人もの人間を切り捨ててきたんだろクソ悪魔野郎が!!てメェなんて私がすぐに切り刻んでやる!!」
全てを言い切った後、先に口を開いたのは兵長だった。
「……ほう、」
なんの感嘆符なのか、と私は肩で息をしながら兵長を睨みつけた。
「はは、リヴァイ並みの口の悪さだな。その様子ならうまくやれるだろう」
私の言った言葉は届いたのか否か、この男は意にも返さず涼しい表情。
「……っ……悪魔め……」
「最高の褒め言葉だ。……アリス、君の意志は伝わった。今日は休むといい。明日からはリヴァイ班として訓練に復帰してくれ。活躍を期待している。……リヴァイ、頼んだぞ」
「了解だ。おいチビ女、とっとと行くぞ」
「だから私はチビじゃっ……って、兵長、痛っ……ど、どこつれてくんですか!!」
私は半ば引きずられる形で執務室を出た。