【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第10章 ▼前夜▼
「……お前、ちゃんと女だったんだな」
「ぶん殴りますよ……」
ブラのホックが外され、胸部はひんやりとした外気に晒される。
「ガキだとばかり思っていたが……」
「私とて乙女の端くれですよ……」
ブラウスを脱がされ上半身に纏うのは両腕の痛々しい包帯のみ。
隠そうとした私を、兵長が止めた。
「……痛むか?」
そっと包帯に触れ、兵長は問いかける。
「……いえ、ここ数週間は切ってませんので、大丈夫、です……」
「……ならいい、」
思えば不思議なものだ。あんなにも止められなかった自傷を、ここ数週間は一度もやっていない。班長にあんなに言われても止められなかったのに。いくら怒られても、止められなかったのに。
『アリス………』
「他ごと考えてんじゃねぇ」
兵長の大きな手にやんわりと包み込まれる。その不思議な感覚にビクンと身体が震える。