第6章 悪夢
「炭治郎さん...ありがとう
動けって言ってくれて」
伊之助さんに言ってた言葉が自分にも響いた
倒せなかった
守れなかった
動けなかった
また
また?
隠が来て蝶屋敷に運ばれた
背中に刺さった硝子は呼吸で止めていたけど、気を抜いた瞬間に傷口に入ってしまった為五針ほど縫った
何日たっても眠れなくて何日たっても忘れられない
伊之助さんが言ってた
[死んだ生き物は土に還るだけなんだよ
べそべそしたって戻ってきやしねぇんだよ]
この言葉が受け入れられない
受け入れている
頭ではわかっている
なのに
もう
痛くて
炭治郎さんはまだ寝ているけど
伊之助さんと善逸さんはもう訓練し始めてる
私も
しなきゃ
でも力が入らない
食欲がなくて
最近食べた記憶すらない
「紫娜さん あなたは今とても精神的に不安定な状態です 病気療養のために頼れる親戚はいますか?」
胡蝶様の声
「西にもうひとつの錦家があります」