第5章 炎と柱と
椿は基礎訓練から始めるのだろうけど、なんの呼吸になるか分からない
私は椿に夜の呼吸を継がせるか悩んだ
もはや銀髪とか狼とかはどうでも良くて
だけどもし自分が教えるとなると自分も父上のようになってしまうかもしれないことが怖い
「なにか悩んでいるようですね」
急に話かけられるとさ、びっくりするじゃん
「胡蝶様!」
一昨日...胡蝶様の前で泣きじゃくった...
あぁぁ....
胡蝶様に椿のことを話した
でも話してても一昨日のことを思い出して恥ずかしくなる 顔とか真っ赤にしてるんだろうな...
でもそうじゃん
胡蝶様にお願いできないかな
「胡蝶様は
「私はもう継子がいるので」」
さらりと交わされる
「炎柱の煉獄さんに頼んでみてはいかがでしょうか 面倒みも良いという噂ですし」
煉獄様...あの奇抜な方か!
「鴉に頼んでみましょうか」
そう言って胡蝶様の鴉が静かに飛んでいく
「あ、あの!
...一昨日はお恥ずかしい姿をお見せしてすいませんでした...でも胡蝶様が聞いてくださって気が楽になりました ありがとうございます!」
部屋をあとにしようとした
「あなたも甘えていいのですよ」
え?
「私と紫娜さんに多く見られる共通点はないですが私も甘えることが出来る存在を失ったので」
初めて怒りを感じない笑顔だった
だめじゃん。また泣きそうになっちゃうじゃん
「...ありがとうございます!」
右目を擦る
拭った手は密かに濡れていた