第17章 結び
私は刀から手を離した
地面に落ちた音が聞こえてこなかった
いつぶりだろう
こんなに紫遊佐の近くに来たのは
お腹が熱い
足の傷は既に呼吸で止血できていたけど
この深さだと無理かな
「....姉さん....なぜ....」
片手しかないから
私には紫遊佐を抱きしめるのに片手しかないから
刀はいらないでしょう
「紫遊佐...ごめんね
ずっと1人にして」
「違う...僕は...死んで欲しかったんじゃない...」
「優しくできなくてごめんね
許せないよね
いいお姉ちゃんでいられなくてごめんね」
おかしいな
ずっとこの瞬間を待っていた気がする
「死なないで...やっと思い出せたんだ
紫娜姉さん...また僕を1人に....」
「ずっとじゃない
だけどちゃんと家族になれた。
ずっとそばにいる
もう離れないから
1人にしないから 」