第3章 那田蜘蛛山
次の日の朝───
自分の部屋に戻って身支度していると
外から鹿島さんの声が聞こえて、中に入れた。
「錦様昨夜はちゃんと眠れましたか?
どうも3人の鬼狩り様がうるさかったようで...」
「大丈夫ですよ。楽しかったですし」
少し不思議な顔をする鹿島さん
「...やはりあの時私が母に会いに行かなければ...」
鹿島さんは3年前のあの夜、母が病気で倒れたと聞いて帰省していた。
「そんなこと言わないでください。
私は、鬼がいたから斬っただけですよ
お母様を伺ったところ、大変元気そうでよかったです。」
鹿島さんには本当に感謝しているんです
とは口に出さなかったけど
あなただけでも生きていて、錦の最後を知っている人がいて良かったんです
そこにちょうど鎹鴉が来て、
「ホクホクトウ!ホクホクトウ!
錦紫娜!那田蜘蛛山ニイケ!」
この鎹鴉弱そうなのに人語が流暢に出る割には語尾だけ強い。