第9章 自切
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」
「あはは...あはは...」
「紫娜ちゃん体やわらかいわねぇ」
たまたま任務から善逸さんが帰ってきていたから
一緒に柔軟性を鍛えてる
いやいやもうホントに背中押さないで...
いくら開脚した状態で体倒してても股関節死ぬって
パキっていっちゃうって
蜜璃さんも泊まることを許してくださった胡蝶様は優しさを匂わせるけど絶対怒ってた
瞳に"どいつもこいつも"って書いてあった
子供の頃はもっと柔らかかったのに
いつの間にか固くなってる
蜜璃さんがやわらかすぎて怖い
「私ねぇ筋力と体のやわらかさには自信があるの
それで少し嫌なこともあったんだけどね
でもそのおかげで今は頑張れているんだわ」
蜜璃さんの明るさは心地いいけど
やっぱり嫌なこともあるよね
でも蜜璃さんだからこそ少し疑ってしまう
アオイさんと出かけている椿が帰ってきたにはその後だった
善逸さんが左腕を見た時いつも通り元気に叫んで色々突っ込むのかなって思ってたのに
しんみりした顔にさせちゃった
気を使いさせたくなかったけど
私の代わりに悲しんでくれた
椿は蜜璃さんと遊んでる
椿は子供だからなのか普通にやわらかい
左腕を見た時の椿は
思ったよりも気にしてはいなかった