第3章 アガット
全部出しきった瞬間、もう耐えられないくらい脱力して。
翔くんに覆いかぶさるように、倒れ込んだ。
しばらく汗まみれのまま、荒い息を翔くんの上で吐き出して。
少し落ち着いて身体を起こすと、翔くん寝てて…
「あ…翔…くん…?」
少し冷静になってきて、慌ててキャビネットの上から乾いたタオルを取って。
汗まみれの翔くんの顔を拭いた。
自分も汗まみれだったから、交互に拭きながら顔を見てたら、目を覚まして。
「…潤…」
「翔…気持ちよかった…?」
って、寝ちゃってたから…
心配になって聞いたら、翔くんの眉間にちょっとシワが寄って…
「おまえ…」
「え?」
「男は俺が初めてだって言ったよな…?」
え?いつ?いつ言ったっけか?俺…
いや、初めてなのは事実なんだけども…
「う…ん…ごめん。なんかおかしかった?痛かったの?」
「ちがーわ…」
ぼそっとそう言うと、ティッシュをくれと言ってきた。
慌ててキャビネットの上の箱ティッシュを渡すと、自分の腹をふきふきして…
あれ…なんかさっき出てた白いのってもしかして…
「……めっちゃ気持ちよくて、気絶してた……」
えっ…
ええっ…マジっすか!?
「昨日、男が初めてだって言ってたのに…なんだよおまえ…」
「えっ…だって、ほんとに初めてで…」
なんか…え?ということは、もしかして…
「翔くん…」
「あ?」
不機嫌な顔して、自分のケツをティッシュで拭いてる。
「もしかして…俺達って体の相性…最高…?」
って言ったら、翔くん真っ赤になった。