第7章 Coke+ポンパドール -Fseries-
「雅紀…勝手にイッちゃだめだろ…?」
「え…?」
「俺のこと気持ちよくしないで…先にイクんだ…?」
「だってぇ…翔ちゃん、前も後ろもしてくれるから気持ちいいんだもん…」
ちょっと泣きそうになりながら、俺に向かって腕を伸ばしてきた。
「はやくぅ…」
もお…もっと、気持ちよくなりたいんだ。
欲張りさんだなあ。
「よっしゃ、いくぞ…雅紀…」
「しょおちゃぁんっ…」
ぐいっと俺の先端を雅紀の口に押し付けた瞬間、電話の音が寝室に響いた。
コットンパンツのポケットに、スマホ突っ込んだままだった。
「あ……」
すっかり忘れてたけど、これから忘年会だった。
「やべ…誰かから電話来てる…」
「やーんっ…翔ちゃん早く入れてよおっ…」
「待て…待てって…外で、もしかして潤や智くんが待ってるかもだろ?」
「待たしときゃいいでしょお!?」
「鬼かおまえ…家の前で誰かに見られたら騒ぎになんだろうが…」
「やあん!しょうちゃぁぁんっ…」
雅紀を振り切って、床に落としたコットンパンツを掴んだ。
スマホを取り出して、手帳型のカバーを開こうとした瞬間、呼び出し音が途絶えた。
「あちゃぁ…」
慌ててリダイヤルしようとカバーを開いた瞬間、俺の手からスマホが消えた。