第7章 Coke+ポンパドール -Fseries-
A side
「…遅い…」
リビングのソファの前に立ちながら、壁のホワイトボードを仁王立ちで睨んでいる。
「何をやってるんだ。アイツラは…」
額に怒りマークが出てる。
「もお…いいじゃん。何時ってきっかり約束したわけじゃないんだからぁ…」
「雅紀は甘いんだよっ!予定がズレるじゃないか!」
「しょうがないでしょお…」
和とカズヤは、ママさんを迎えに新宿まで行ってる。
リーダーと潤も午後になってから、ウチに集まる予定になってるんだけど…
一向に誰も来ないのだ。
年末、クソ忙しいこの時期に。
翔ちゃんが無理やりみんなのスケジュールを合わせて、忘年会をやろうと言い出した。
来年の夏、カズヤがいよいよ旅立つことになったから。
だから来年の年末は、おっさんだけになるからっていうんで、翔ちゃんは偉い張り切ってた。
「…もお、そんな慌てても2020年はまだ終わりませんよ~?」
「雅紀…タイム・イズ・マネー!そんなんだから、自然薯が折れるんだよっ!」
「あ、あれは高橋くんがっ…!」
「時間を大事にしないからだ!」
「んな、めちゃくちゃな…」
もお…忘年会の準備は、THE不器用な翔ちゃんが動かないから、俺一人でやってんだけど…
八つ当たりまでされて…
いい加減ブチ切れていいですか?