第6章 シュガー・ビート
ガチガチに力の入った上半身を抱きしめながら、ひたすら腰を進めていく。
ものすごい圧迫と、ものすごい熱い中を突き進んでいる時は夢中だった。
ただただ、完全に埋まってしまいたくて。
智くんに埋まってしまいたくて。
力が入って痛がってるのはわかったんだけど、止められなかった。
「智くん…智…くん…」
なぜだか、涙が出てくる。
こみ上げてくるものを我慢しながら、ひたすら名前を呼んだ。
「しょ…ちゃ…?」
いつの間にか
全部、智くんの中に入ってて
俺は喋れないほどの感動に襲われてた
「ど…したの…?」
痛いくせに…喋らなくなった俺のこと心配して…
伏せてた顔を引き上げるように、両手で頬を挟まれた。
顔を上げると、少しびっくりした顔をして…
「なに…泣いてるの…」
そう言って、にっこり笑ってくれた。
でも、そんな智くんも…
「智くんも…泣いてる…」
ポロポロ涙を零しながら、笑ってる。
「ふふ…ふふふ…」
俺の頬に流れる涙を、指で拭ってくれる。
俺も抱きしめていた手を外して、智くんの頬に触れた。
こめかみを伝って落ちていく涙を指で受け止めた。
「ごめ…ん…痛い…?」
「うん…痛い…」