第6章 シュガー・ビート
「めっちゃ…興奮した…」
思わず、ぽろりと口をついて出てしまった本音。
「は…?」
もう、いいや
「俺…智くん見て、興奮しちゃったんだよね…」
「え……」
ずりっと智くんが座ったまま後ずさった。
「待って」
「ごめん、俺、そういう趣味…」
「うん。わかってる。それは十分わかってる」
「こっち来んな」
「いや、だから待ってってば。智くん」
後ずさる智くんと、距離を縮める俺。
「っ…こっちくんなっ…」
立ち上がろうとするから、思わず手を握って引き寄せた。
智くんは、どすんと半腰から尻もちをつくみたいにソファに座る。
すかさず逃げないように、座面に押し倒した。
「なっ…なっ…変態~!」
「うん…いや、俺たち十分変態じゃん…?」
「う…」
手に持ったままのスマホの画面を、智くんに向けた。
「こーんなとこで、しちゃってさ…ね?智くん」
「う…ううう…」
ずいっと怯む智くんに顔を近づけた。
息が掛かるほどの距離で、見つめ合った。
「ねえ…智くん…」
「な、なんだよ…」
もう、変態でいい
「新しい扉、開けてみない…?」
「い…いや、ちょっと、待て…」
「できると思うんだ。俺と智くんなら」
「は、はあ…?何いってんの…」
「だから…お互いに、してるとこをさ…見せ合わない?」
「…へ…?」