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金森さやかに甘い期待を裏切られる夢小説

第1章 1章


「寒いんでしょう。今、風邪をひかれると作業に支障が出るので着ててください。」
目の前でしれッとそんなことを言われる。
ええ!!着てろって金森さんのジャージを?!ちょ、金森さん。わかってる?こっちはひと月前にあなたに告白して振られた身なんですけど。まだ、全然あなたへの気持ち、断ち切れてないんですけど。
それなのに・・・・それなのにそんなことされたら、ときめいちゃうでしょ!あなたが普段着てる服を羽織らせるなんてそんなのひきょう!
1人でどぎまぎしつつも拝借したそれに袖を通した。わあ、やっぱりぶかぶか。手が完全に隠れるし、裾はワンピースみたいな丈になる。ほんとに背が高いんだなあ。袖を折りつつ、笑みが漏れる。金森さんの服を着ちゃった。胸がきゅん、と苦しくなって同時にほっこりと暖かい思いがこみあげる。・・幸せ。
「何一人でニヤニヤしてんすか。気持ち悪い」
作業に戻っていた金森さんが不審げに言い放った。

翌日。
「そろそろ帰りましょう」
「え?もうそんな時間?」
「はい、残っているのは我々だけです。他の奴らはみんな帰りました」
見渡すと同好会室はシーンと静まり返って暗い。
そっか、今日は浅草さんも水崎さんも用事があって早く帰ったんだっけ。
「ほんとだ。あ、もうこんな時間」
ふふ、昨日の反省を生かして今日はしっかりマフラーを持ってきてるもんね。ちょっとそれをアピールしたくて、みせつけるためにゆっくりマフラーを撒いていたら金森さんはさっさと帰り支度を終えてしまった。
「もたもたしてたら置いていきますよ」
「ええ、ちょっと待ってよ!」


慌てて支度を済ませ、帰路に着く。金森さんとは電車を降りてからのバスが一緒。
バス停に着くと、ふと目の前のカップルが目に入った。女の子は私と同じように、首をぐるぐるにマフラーで巻いている。その時、そばに立っていた彼女のボーイフレンドらしき男の子がふいに女の子のほうを向いた。そして、無言のまま女の子に顔を近づけ、彼女のマフラーに指をひっかける。すると女の子の口元を隠していたマフラーが下がった。
なにしてるんだろう?
きょとんとしている女の子に男の子の顔が寄ったかと思うと…その口にキスを・・・。
わあ。  
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