第7章 エイプリルフール
人を騙すのは正直、あまりしたくない。
冗談でもしたくないけど、からかいたくなったときにぽろっと出てしまうときは、そんなに深く考えてなかったりする。
でも、誰かに嘘をつくのは、自分にも返ってくる事なのだと肝に命じとこう。
じゃないと、大変な目に遭う。
いっぱいバラム先生と話してたら、カルエゴ先生が研究室にやって来て、
「…オペラ先輩からお前を連れ帰るように言われた。」
「?カルエゴ先生の所に連絡がいったんですか?お手数おかけします。」
「…カルエゴくん?」
私は見てなかったが、カルエゴ先生はバラム先生に『言うな』と人差し指を唇にあてていて。
バラム先生は、
『ミユキちゃん、御愁傷様。』
と心で祈ったそうだ。
カルエゴ先生に連れられて歩く廊下。
直ぐ校門に向かうのかと思ったら、
「荷物を取りにいく。」
と言うので、先ず、執務室に向かった。
執務室に着くと、中で待つように言われて、部屋に入る。
ソファーに座る。
魔茶を出された。
?長居するの?
そこで、ちょっとおかしいと思った。
デスクの椅子に座り、仕事をし始めた。
これは、
「…私、騙されたんですかね?」
「………そうだな。お前が、嘘をついて回ってるようだとダリ先生から苦情を言われたのでな。」
「すみません。」
「いや、ダリ先生の赤タコの様な顔を見れたから、まあ、許してやる。」
ダリ先生には、色々とやられてるカルエゴ先生なので、やり返せるときはやり返す質みたいだ。
「俺にもついてみるか?」
「!?お、恐れ多いので、」
「…怒らないで聞いてやる。嘘をついてみろ。」
至近距離で迫られて、アタフタと嘘をついてみる。
「………わ、私は、人間です。」
「………ふっ。それは、大層だな。」
いや、嘘をついてない。
でも、先生はついたと言うことにしたようだ。
「お前には嘘をつくセンスは無いようだ。もうするなよ?」
「は、はい。」
「……お仕置きだ。」
チュッと触れるだけのキスをされて、これは、お仕置きになるんですか?
もう、嘘はつきません。